【野球】カブス・今永昇太が新人王の有資格者にしているMLBは一考を 日本球界は米のマイナー・リーグではない

 現実味を帯びてきたカブス・今永昇太(30)の新人王だが、もはや日本で実績ある選手を新人扱いするのは時代遅れではないのか。

 今永は27日のレッドソックス戦でも7回途中1失点と好投。開幕から無傷の4連勝を飾り、防御率も0・98と驚異的な数字を残している。4年総額5300万ドル(当時のレートで約80億円)の大型契約で入団したが、快投の連続に米国では破格の安さと話題になっているという。

 このまま故障もなく順調に勝ち星を積み重ねていけばナ・リーグの最多勝、防御率のタイトル争いにも割って入りそうだが、新人王のタイトルに関しては独走状態になるかもしれない。

 過去、海を渡った日本人選手でMLBの新人王に輝いたのは4人いる。1995年のドジャース・野茂英雄を皮切りに、マリナーズの佐々木主浩、イチロー、そしてエンゼルス時代の大谷翔平だ。日本球界でも大谷は二刀流で成功を収めて渡米したが、他の3選手は移籍当時、すでに日本を代表するプレーヤーで数々のタイトルを獲得し、将来は名球会入りや野球殿堂に入っても不思議ではない選手たちだった。メジャー在籍1年目ということだけで、彼らをメジャーでの新人王の受賞資格があるとするのは不思議でならない。

 MLBのルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王)はシーズン終了時に全米野球記者協会の投票によりア・リーグ、ナ・リーグから各1人ずつが選出されることになっている。受賞資格はメジャー1年目には限定されておらず前年まで打者なら130打席以内、投手なら投球回数が50イニング以内だ。また、チームの公式戦に実際出場できるアクティブ・ロースターの登録期間は45日以内という規定も存在している。

 それに対し、NPBでも記者投票で選ばれるが、支配下選手登録されてから5年以内で、前年まで投手としては1軍の登板が30イニング以内、打者としては60打席以内でなくてはならないと定められている。

 日米でも高卒、大卒、社会人を経由しての入団があり、年齢や基礎体力、技術面などはルーキーイヤーでは当然、異なる。有資格者を入団1年目に限らないのは同じだが、両者には決定的に違う部分がある。それはMLBでは前年まで日本やメキシコ、韓国、台湾のようなレベルの高い他国リーグで残した実績が完全に無視されてしまっている点である。これに関する論争はMLBでたびたび巻き起こっているが、現段階では正式には改訂される動きはない。

 対して、NPBでは若干の特例はあるが、原則的には「海外のプロリーグに参加した経験がない」と明記されている。この規定がなければ昨季、DeNAで10勝4敗、防御率2・76の成績を残したサイ・ヤング賞男、トレーバー・バウアーも、セ・リーグの新人王レースで票を集めるという奇妙な現象になっていたかもしれない。

 MLBでプレーする選手は米国出身者ばかりではない。ドミニカやプエルトリコなどの中南米出身者や日本、韓国などアジア系の人間も活躍している。もはやMLB以外の他国リーグをマイナーリーグのような扱いにし、その実績を無視するかのような規定は間違っている。NPBで64勝50敗。防御率3・18の成績を残し2023年には奪三振(174個)のタイトルに輝いた今永は、新人ではない。(デイリースポーツ・今野良彦)

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